さまざまな場所で働く看護師の写真

トラベルナースとは?メリット・デメリット、向いてる人の特徴などを徹底解説

フリーランス

看護師の新しい働き方として注目を集める『トラベルナース』
テレビドラマで取り上げられたこともあり、「名前だけ聞いたことある」「どんな働き方なの?」と気になっている方もいますよね。

トラベルナースとは、一定期間ごとに勤務先を変えながら働く看護師のことで、『応援ナース』と呼ばれることもあります。
好きな時に、好きな場所で働けることが大きな魅力ですが、その数はまだ少なく、実態がわからない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、トラベルナースについて以下の流れでご紹介します。

この記事の要点まとめ
  1. トラベルナースは、好きな時間や場所を主体的に選んで働いている
  2. トラベルナースには5つのメリット・デメリットがあり、どちらも知っておくことが大切
  3. トラベルナースに向いている人は、メリットとデメリットを踏まえて「挑戦したい」と思える人である

1.トラベルナースとは
「一定期間ごとに勤務先を変えながら働く看護師」のこと

トラベルナースとは、一定期間ごとに勤務先を変えながら働く看護師のことです。
海外では広く知られた働き方で、日本でも興味・関心を抱く方が増えています。

日本では『応援ナース』と呼ばれることもあり、転職サイトや求人検索サイト経由で人手不足の医療機関に就業するケースが一般的です。
トラベルナースと似た働き方である派遣看護師とは、雇用契約の締結先(雇用契約を結ぶ相手)が異なります。

トラベルナースと派遣看護師の違い
→ 横にスクロールできます

  トラベルナース 派遣看護師
雇用契約の締結先 就業する病院・施設 派遣会社
勤務期間 6カ月程度が多い 求人によって異なる
収入 相場より高めの求人が多い 相場~相場より高め(求人による)
社会保険加入の有無 就業する病院・施設の規定により加入可能 派遣会社の規定により加入可能
引越しの必要性 求人によっては必要
ただし、転居を伴わないトラベルナース求人もある
必要ない
紹介される求人は自宅から通える範囲が一般的

※トラベルナース求人の中には、派遣看護師として勤務する求人もあります。

トラベルナースの様々なメリットについては、次章で詳しく解説していきます。

2. トラベルナースのメリット5選

トラベルナースには、様々なメリットがあります。主なメリットは、以下の5つです。

  • 高収入・高待遇で働ける
  • 期間限定なので委員会や看護研究などが無い
  • 人間関係のトラブルに巻き込まれにくい
  • 移住前にお試しで勤務できる
  • スキルアップのチャンスがある

高収入・高待遇で働ける

トラベルナースは高収入・高待遇で働くことができます。
なぜなら、即戦力で働いてくれる看護師への対価として、勤務条件を優遇している病院が多いからです。

また、離れた土地で暮らすトラベルナースが快適に過ごせるように、働きやすい環境を整えている病院も数多くあります。
詳細な条件は勤務先によりますが、なかには「月40万円以上」「転居費用全額支給」「家具・家電付住宅完備」といった高待遇の求人もあります。
こうしたメリットは、短期間で稼ぎたい方や一定期間だけ働きたい方にとって大きな魅力といえるでしょう。

期間限定なので委員会や看護研究などが無い

看護師は、仕事以外に委員会や看護研究、勉強会、研修、新人指導など様々な業務を行います。それゆえ、日常的に残業や休日返上の毎日をお過ごしの方もいるかもしれません。

トラベルナースは期間限定の勤務なので、こうした雑務を任されることがありません。
つまり、仕事以外のことを気にせず、日々の業務に専念して働けるのです。
業務終了後はすぐに退勤できるので、プライベートとの両立もしやすいでしょう。

人間関係のトラブルに巻き込まれにくい

看護の現場は生死と隣り合わせになることもあり、どうしても口調が強くなったり、殺伐とした雰囲気になったりしがちです。
その結果、人間関係のトラブルに発展することも少なくありません。

トラベルナースは6ヶ月程度の短期間勤務が基本なので、こうした人間関係のトラブルに巻き込まれにくいです。
仮に苦手な先輩や同僚がいても、「数カ月間だけ」「仕事だけの付き合い」と割り切って付き合えるので、ストレスを最小限に抑えられるでしょう。

移住前にお試しで勤務できる

住んでみたい街や土地があっても、いざ移住するとなると躊躇してしまうものです。
その点、トラベルナースは気になる街に期間限定で住みながら働けるため、お試しの移住としても適しています。

仕事をバリバリこなしながら、休日は観光やレジャーを楽しみ、メリハリのある毎日を送ることも夢ではないでしょう。

スキルアップのチャンスがある

いまの環境に不満はなくても、仕事への慣れから、つい物足りなさを感じる瞬間もあるでしょう。
トラベルナースになると、新しい環境で即戦力として業務を任されるため、スキルアップできる可能性があります。

具体的には、応用力、状況判断力、適応力、臨機応変さ、未経験領域の知見、看護技術の獲得など、さまざまなスキルの習得ができるでしょう。
自分のスキルを試したい方は、トラベルナースとして一歩踏み出すことをおすすめします。

3. トラベルナースのデメリット5選

ベッドに座ってうつむく男性看護師の写真

当然ながら、トラベルナースにはデメリットもあります。
実際に働いてから「知らなかった」「後悔している」とならないよう、以下の5つのデメリットを知っておきましょう。

  • ある程度の経験年数が求められる
  • 有給休暇はもらえない
  • 賞与(ボーナス)・退職金は無い
  • 管理職へのキャリアアップはできない
  • 期間満了後の引っ越し費用は自己負担である

ある程度の経験年数が求められる

トラベルナースには即戦力が求められるため、ある程度の経験年数が必要です。
目安として経験年数3年以上が求められるケースが多いですが、急性期病棟や救急外来などの経験があれば、経験年数3年未満でも働ける場合もあります。

新卒看護師の方やブランクの長い方は即戦力になるまで時間が必要なため、トラベルナースは不向きといえるでしょう。
トラベルナースを目指すのであれば、まずは経験年数を積んでから挑戦することをおすすめします。

有給休暇はもらえないケースもある

あまり知られていませんが、トラベルナースは有給休暇がもらえません。
なぜなら、有給休暇の付与基準は労働基準法で明確に定められており、「6カ月間の継続勤務」「全労働日の8割以上出勤」の2つを満たしている人に有給が与えられるルールがあるからです(参考:厚生労働省:労働者の方へ,2022年9月27日閲読)。

トラベルナースの勤務期間は6カ月で満了になるケースが多いため、有給はもらえません。
つまり、この期間にケガや病気で働けない期間があると、収入が減少する可能性もあるため、健康管理には注意が必要です。

事前に6カ月以上の勤務が決まっている方、6カ月の期間満了後に契約を更新した方は、有給が取得できるため、契約の際に忘れず確認しましょう。
なお、週休2日や月休8日などの休日は、常勤者と同様に保障されているため、ご安心ください。

賞与(ボーナス)・退職金は無い

トラベルナースには、基本的に賞与(ボーナス)や退職金はありません。
正社員とは異なる雇用形態であり、短期間の勤務であるため、賞与や退職金が支給されないケースが一般的なのです。

そのため、「月収の高さにつられた」「ボーナスが無いから去年より年収が下がった」とならないよう、トラベルナースを始める前に今の年収との比較を忘れず行いましょう。

管理職へのキャリアアップはできない

トラベルナースは短期間雇用であるため、管理職へのキャリアアップは難しいでしょう。
多くの病院・施設では、勤続年数の長さに応じて、主任・看護師長・看護管理職などの役職に昇進します。

もし、将来的に管理職へのキャリアアップを目指すのであれば、一つの病院や施設で働き続けることも一つの手です。
ただし、トラベルナースで得られた知見・経験が、無駄になることはありません。

期間満了後の引越しは自己負担になることもある

トラベルナースが契約満了後に引っ越す場合、引越し費用を自己負担する可能性があります。
病院が就業前に転居費用を負担してくれた場合でも、契約満了後の費用までは負担してもらえないケースもあるからです。
そのため、もらった給料の中から、引越しにかかる費用を確保しておくことをおすすめします。

引越し費用は、時期やエリア、移動距離によって変わるため、早めに見積もりを出しておくことも重要です。
転居時に掛かった費用を目安に、引越し費用の貯金を忘れず行いましょう。

4. トラベルナースに向いてる人

ここまでご紹介したトラベルナースのメリット・デメリットを踏まえ、以下に該当する方はトラベルナースに向いてるといえるでしょう。

トラベルナースとして働く目的がある人

短期間だけ働きたい、お試しで移住してみたい、勤務先でマリンスポーツやウィンタースポーツを楽しみたい、留学や就学に向けた費用を稼ぎたいなど、明確な目的があると続けやすい。

新しい環境を楽しめる人

好奇心が旺盛で新しい環境を楽しめる人は向いている。
適応力や柔軟性、コミュニケーション能力に自信がある人もおすすめ。

自分の経験やスキルを試したい人

即戦力として働くため、挑戦に最適な働き方である。
また、未経験の領域に飛び込むことでスキルアップもしやすい。

職場でのしがらみを感じずに働きたい人

人間関係、昔からある慣習やローカルルール、業務以外の雑務に疲弊しており、こうしたしがらみを感じずに働きたいなら、トラベルナースを試す価値あり。

コロナ禍で大変な病院・施設の力になりたい人

新型コロナウイルスの感染流行を目の当たりにし、看護師として役立ちたい人、動き出したい人におすすめ。

トラベルナースの求人に関する情報をこちらの記事で紹介しています。参考にしてください。

5. まとめ

トラベルナースのメリットやデメリット、向いている人の特徴をご紹介しました。
看護師の新しい働き方として注目されているトラベルナースには、メリットとデメリットがあります。

どちらも知った上で、「トラベルナースに挑戦してみたい」「迷うけどちょっと話しを聞いてみたい」とお考えでしたら、転職サイトや求人検索サイトから問い合わせしてみるとよいでしょう。

また、トラベルナースのような「時間や場所を自分で選択する働き方」に魅力を感じている方には、『フリーランス看護師』という選択肢もあります。

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