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看護師の副業、働き方改革について考えるシンポジウムinナースまつり2024

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東京ビッグサイトで行われた「ナースまつり2024」では看護師のキャリアを考える機会として、看護師の副業やフリーランス活動に関する理解を深め、現代の多様な働き方について考える場を提供しました。

看護師が副業やフリーランスとしてどのようにスキルを活かし、自己実現を図っているのかを探り、医療現場における働き方の変化を共有するシンポジウムが行われました。

インタビュア:一般社団法人フリーランス・副業看護師支援協会 代表理事 砂田将弥

フリーランス、副業の現状

フリーランス、副業の現状

ゲスト:一般社団法人 プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 
代表理事:平田麻莉 氏

フリーランス協会ホームページ:https://www.freelance-jp.org/

砂田:看護師の職場では多くないですが、副業を解禁する一般企業も増えていますね。

平田:副業を解禁する企業がどんどん増えてきている背景としては、若く優秀な人材を採用するためには副業を解禁していることはプラスの要素になります。
また、やめたいという社員を繋ぎ止めるため、 副業をやっていいから残って欲しい、うちの会社は副業でいいから続けて欲しいなどのニーズがあります。

改めてフリーランスとはどのような働き方なのでしょうか?

平田:フリーランスの定義ですが、大きく分けて独立系、副業系があります。
いずれにしても、個人の立場で、ご自身の専門知識を提供して対価を得るという定義になっています。
看護師さんであれば、どこか病院や施設にお勤めだと思うんですが、通常は雇用関係にありながら就業時間外でお仕事される方は副業系フリーランスになり、業務委託でお仕事しているという方をフリーランスという風に呼んでいます。

雇用関係にありながら就業時間外で短時間の雇用契約を掛け持ちするアルバイトとは違い、いわゆる2重雇用の副業はフリーランスとは言いません。
看護師の医療行為は業務委託でやると違法になってしまうので、看護業務をする場合は、アルバイトの掛け持ちという形になります。
フリーランスはあくまで業務委託で行うケースとなります。
例えば、講師業や、執筆など 看護業務以外の業務委託で副業される方も最近増えていて、このような働き方をフリーランスということになります。

フリーランスで働いている人は一般的にどのくらいいるのでしょうか?

平田:現在、国内に257万人統計上いると言われていています。
さらに、表だって申告してない副業の方も含めた推計では462万人とされており、非常に増えています。
増加の背景としてはスマートフォンとかパソコン1つあればどこでも仕事ができるようになり、独立、副業の敷居が下がったことです。

また、クラウドワークスやココナラなどのマッチングサービスも登場していたり、無料で使えるインターネットがあればすぐに使えるアプリケーション、クラウドサービスが出てきたりしていることも関連しています。

今一度、雇用契約と業務委託の違いを教えてください。

平田:雇用契約とは就業規則で、決まった時間、決まった場所で働くこと、つまり自分の労働力を提供しますよという約束をする契約になります。
一方、業務委託っていうのは、(大きく分けて請け負いと準委任というように厳密に分かれるのですが、) 約束したミッション、仕事を完成させることになります。
それは有形無形を問いません。

デザインをする、イラストを描く、記事を執筆するといった成果物があることもあれば、講師業で講師をするなどの無形のものもあります。
その業務を遂行することを約束するのが業務委託契約ということになります。
いわゆる指揮命令を受ける上司がいて、上司の言う通りに動くっていうのは雇用の働き方で、上司がいない、自分で 裁量を持って動くっていうのが業務委託の働き方と考えていただくとわかりやすいかなと思います。

副業やフリーランスの良いところを教えてください。

平田:副業やフリーランスとして活躍することは、自分の強みとかキャリアの棚卸しをすることになります。
1つの組織で働いていると、その中での評価や人間関係が自分の価値を決めてしまうような気持ちになりがちです。
1歩、外に出ると、自社の常識は他社の非常識だった、自分を評価してくれる人もたくさんいるなど、いろんなことに気付けます。

自分の新たな価値を知り、自己実現をしていく、まさにウェルビーイングに寄与できるとも言われています。
副業は本業として食べていくには、こころ元ないけれども、やってみたいことに挑戦してみることができます。

看護師がフリーランスで働くことについてどのように思いますか?

平田:もうすでに労働人材が圧倒的に不足していますので、看護師さんも1つの病院、施設で優秀な人材を囲い込むのではなく、その知見を、複数の場所で発揮していただきたいと思いっています。
これは現在の超少子高齢社会社において要請も高まってきていると思います。
様々な背景から多様な働き方が可能で、かつ求められる時代になっていると思います。

2024年11月1日より始まるフリーランス法について

平田:私たち、フリーランス協会は、フリーランスや副業で働く人にとって必要な保険や優待を提供しているほか、未整備だったフリーランスの働き方、契約のルールのトラブルや、社会保障の差の問題を解決するために活動を行ってきました。
今年の11月1日から、フリーランス法という新しい法律が施行されます。
契約トラブルを防ぐようなルールや労災保険にフリーランスでも入れるようになります。
段階的にではありますがフリーランスで働く人の環境整備が進んできています。

まとめ

副業を通じて、自分の強みや価値に気づくことができ、また、異なる組織での経験が自己成長に繋がると説明されました。
フリーランスという働き方、副業がもたらす自己発見やウェルビーイングへの寄与についてお話を聞きました。
医療業界においても、フリーランス活動を解禁する企業が増えてきており、優秀な人材の確保や社員の定着に貢献しています。

シェアリングエコノミー協会 糸原様の講演

シェアリングエコノミー協会 糸原様の講演

一般社団法人シェアリングエコノミー協会
事業部長:糸原絵里香 氏

一般社団法人シェアリングエコノミー協会ホームページ:https://sharing-economy.jp/ja/

まずシェアリングエコノミーについて教えてください。

糸原:シェアリングエコノミとは、インターネットを介して個人と個人、 個人と企業との間で物、場所、スキルなどを売買、または貸し借りするサービスのあり方、経済のモデルです。
例えば「メルカリ」もその一つです。
個人で持っているもので売りたいものがある、 それを買いたい人がオンライン上でマッチングするサービスですね。

モノだけでなくて、シェアリングエコノミーは「空間」、「スキル」、「移動」、「お金」、「モノ」という、5つのカテゴリーに分けられます。
スキルというカテゴリでは、副業として使われる方がかなり多いです。
スキルには、人生の中で身につけてきた、 実は目に見えないけど人には感謝されるような小さなスキルも含まれます。
自分自身のスキルを使って副業ができるっていうのがシェアリングエコノミーの良さではないかと思っております。

他に、どんなものがあるのでしょうか?

糸原:分かりやすいところで言うと、モノの例ではメルカリと言いましたが、それ以外だと、カーシェア、シェアサイクルや、電動キックボードのシェアがあります。
あとはオンラインでマッチングして個人の家に泊まりにいく、民泊のようなサービス、働き手の労働力のシェアとして隙間時間で働く「タイミー」など本当に様々あります。

最近はキャンピングカーのシェア、ヘリコプターのシェアなどもあります。
ちょっと自分で手に入れるには なかなか手に入れにくい場所やモノ、スキルだけど、誰かが、貸してくれたり売ってくれたりする可能性があるので、ぜひ思いを巡らせてみてください。

シェアリングエコノミー協会とはどのような団体でしょうか?

糸原:シェアリングエコノミーの運営企業様を中心とする法人会員は400社、175の自治体会員、そして、シェアリングエコノミーに興味がある個人会員が1万5000名と団体です。
様々な自治体でそういったシェアリングエコノミーを使った実証実験に参加をしています。

糸原:私自身もシェアリングエコノミー協会の1スタッフ、1事務局として平日は業務委託で仕事をしています。
しかし、土日は料理研究家をしています。
オンラインで料理教室をしたり、料理本なんかも出したり、テレビに出さしてもらったりと土日は全然違うことをしています。

看護師さんとして働く傍ら、看護師さんとして培ったスキルを活かし、看護師業務ではない業務をする、副業をすることも1つ選択肢かなと思います。

シェアリングエコノミーは、個人対個人のマッチングサービスで、スマホがあればすぐに始めることができます。

例えば、今は看護師をしているけれども、ほんとはちょっとだけ料理にも興味あるなとか、実は昔、保育士さんにもなってみたかったなとか、小さい時からのあれやってみたかったな、これやってみたかったなっていう感情ってどこかにあるのではないでしょう。

他にもデザインや似顔絵を描くのが好きなどいろいろな好きや得意があると思います。
シェアリングエコノミーは、オンライン上で自分の好きと得意、それを欲しい人とやってみたい人がマッチングして、それがすぐに仕事になってしまう世界です。
シェアリングエコノミーの2032年度の既存産業への経済波及効果は約10兆円と予想されています。シェアリングエコノミーを活用して最初の第1歩を始めてみようかなっていう方も増え、副業がスタンダードになることが予想されています。

例えば 絵を描くのが好きだ、似顔絵描けるっていう方が、似顔絵を描いて欲しい人の写真をもらって、似顔絵を描いて送ってあげる。
これだけで実はお仕事になります。

似顔絵を描ける人にとっては当たり前のスキルかもしれませんが、似顔絵描いてほしい人にとってはすごくありがたいことです。
なので、1枚の似顔絵が今、3000円、5000円と取引をされています。
もちろん価格は自分で決められます。
趣味ではなくて、誰かに感謝していただけて、そしてお金がもらえる形で副業になる、こんな形もあります。

看護師が可能な副業とはどんなものでしょうか?

糸原:看護師の方の多くは、看護師しかできないと思っています。
専門職は資格として表せるスキルかもしれませんが、働いてきた中で様々なスキルをお持ちだと思います。
スキルっていうのがかなりですね、世の中でも求められております。

例えば、私の知っているところでは、看護師さんとしての経験で、家事代行をされてる人がいます。
休みの日に依頼者さんのお家に行って、片付けとか掃除とかをされてます。
看護師さんとして、身の回りを、病院を綺麗に整理整頓するスキルを活用しています。
他には、医療に関する知識でライターをやったり、オンラインセミナーを開催されたりしています。
知識自体を活用される方や、看護師としての経験を活用される方がいます。

認知症の方とのコミュニケーション術、患者さんとの関わりから得た接遇の知識などを教えることもできます。
このように看護師さんとして働いている現場を通じて得たスキルを使って、医療や看護に付随するスキルを使って、副業として活躍されてる方がいます。

ご自身の「ああ、こんなことが好きだな」とか、「こんなこと得意なことがあるな」という自分の棚卸ししてみるといいかもしれません。

ディスカッション

医療法人香徳会メイトウホスピタルでは副業解禁を行なっています。
理事長の加藤公彦先生に副業解禁の背景と意義について語っていただきました。

メイトウホスピタル病院で副業を解禁した理由についてお聞かせください。

理事長加藤先生:医療従事者の労働者としてのお給与はお給料は基本的に診療報酬に紐付けられています。
診療報酬は今後どんどん右肩上がりに上がっていくこと自体が予想できません。
物価高騰に合わせて医療従事者の給与が上がっていくことは難しく、1つの病院からの給料だけで生活していくっていうのは厳しくなるというは社会的背景をもとに副業を解禁しました。

具体的には、現時点で講演や地域にある活動、あるいは看護大学での授業、もちろんご自身で動画を使って配信して、動画配信での広告収入等を得るなどの副業も認めています。
最近では、他の病院に勤めている(Wワーク)という形で副業したい方も増えてきているのが実情です。
今後は、複数の病院でも副業というものを認めていかざるを得ないのかなという風には考えています。

司会砂田:ポイントは、

  • 看護師の給料は診療報酬から支払われおり、給料を増やすことは難しい現状がある。
  • フリーランスの活動、講師や地域の有償活動などは認めているが、現時点では、病院や高齢者施設などのアルバイトは認めていない。

理由としては、正社員が副業としてアルバイト雇用の形で働く場合、労働管理の問題、労災の問題、労働時間の申告、給料計算、時間外勤務の管理など、雇用主として手続きの負担があるということです。

看護業界だけでなく、他の業界でも同様の背景や課題があるのでしょうか。

砂田:看護業界だけでなく、他の業界でも同様の背景や課題があるのでしょうか。
またその課題を乗り越えるための施策があるのか、他の業界も副業をしにくい環境があるのでしょうか?

平田:1つ目のポイントのところで言うと、やはり、前提として看護師さん皆さんのまず給与自体がちゃんと上がってほしいなと思っていいます。
最近もアンメットっていうドラマにハマっており、医療業界の皆さんにリスペクトがますます高まっています。
それに加え、自分自身の成長など収入以外の目的も含めて、副業はどんどん増えいくと思いますので、働き方の選択肢は多い方がいいと思っています。

ポイントの2つ目で挙っている、雇用での副業を禁じるっていうのは、看護業界だけではありません。
日本全体がそのようになっていて、雇用関係での副業では、労働時間の通算が必要だったり、割り増し賃金が必要だったり、労務上の管理が非常に煩雑になってしまいます。
今、経済界からも労働時間の通算をなくしてほしいっていうような要望が上がっていますし、フリーランス協会としても労働時間通算をなくした方が 雇用の副業も広がることを提言させていただいています。

ただ、いずれにしても業務委託での副業が中心になっていくと思いますので、 自分はどんなことに挑戦できるか、シェアリングエコノミーを含めて様々な選択肢を一度検討してみると良いと思います。
業務委託の副業について、もちろん就業規則上で禁止している病院もあると思います。
しかし本来は、会社が副業を禁止する義務も権利もないということは、厚労省の検討会でも言われていました。

就業時間外に業務委託の副業する人もいれば、地域活動をする人もいます。
見方を変えれば、小さなお子さんのケアや介護をする人、深夜遅くまで忙しく残業をする人もいるので、「自分の時間」をどう使うかは会社がとやかく言えることではないと整理されています。
副業をして睡眠不足で倒れちゃうではもともこもないので、自分自身の健康、キャパシティと相談しながら、出来ることを少しずつ挑戦していただけたらいいのかなと思います。

では、糸原様はいかがでしょうか?

砂田:ありがとうございます。では、糸原様はいかがでしょうか?

糸原:平田さんから制度の話をしていただいたので、私からはそれでも副業をしたいっていう方へ、何から始めると良いのか。
何からなら始めやすいのか、始めやすさの2つポイントをお話しできればと思います。

1つは、講師やセミナー、地域活動っていうところです。

なぜ会社は副業をしてほしくないか。
やっぱり1番は本業がおろそかになる、本業がおろそかになりそうだからです。
しかし、看護師さんであれば、看護師のスキルを活用しています、看護師さんとしてキャリアアップに繋がりますという部分が大事です。
病院も地域に貢献していますという形で、講師やセミナー、地域活動など透明性が高く、さらに本業にも貢献できる形で副業を始められると、周りの理解も得やすいです。
本人の中でも隠れて副業をするわけではないので始めやすいです。

2つ目としては、副業をやりすぎて 体を壊してしまう、寝不足になっちゃって本業に支障が出てしまうのがよくありません。

自分自身にとっても、就業先にとっても良くないことだと思います。
ですから、看護師さんの仕事として臨床現地で働いているのであれば、もう片方は在宅のものにするなどより、無理がなくて両方に良い影響のあるような副業の組み合わせ方、キャリアの組み合わせ方をすると、周りの理解もされやすく、自分の中でもやりやすさを感じることができると思っています。

専門職としての看護師のシェアリングについてどのように考えていますか?

砂田:専門職としての看護師のシェアリングについてです。
まず加藤理事長はどのように考えていますか?

加藤理事長:診療報酬や介護報酬の改定でもあるように、多職種との連携で包括的な医療の提供が必要だとされています。
医療と介護の連携、そしてさまざまな職種同士のコミュニケーション、サービスの提供をより推進してくださいというのが国の方針です。
ネットワーク作り、連携作りの中心となる方は特定のスキルを要する看護師さんです。
例えば院内感染ICTとかです。

コロナの時に実際にあったように、介護施設での感染対策であるとか、訪問看護ステーション、あるいは訪問介護、リハビリで感染対策としての連携、あるいはネットワークで応援していく機会が増えています。
他にも褥瘡ケアや緩和ケアも連携やネットワーク作りが大切です。
スペシャリストの看護師さんが地域での、連携や活動、助け合いの中で重要な役割を演じることは間違いありません。
今回の診療報酬改定では、特定の研修を受けた看護師等は医師がいなくても遠隔で死亡診断をすることが認められました。
おそらく現場で最初に入ってくるのは診療看護師だと思っていますが、 医師がいないところでの、医師の代わりに死亡診断をすることが現実になってきます。
特定のスキルを持った看護師さんは専門的な技術や知識を発揮する場面はいろんなところで増えてくると思います。これが時代の流れですね。

専門職のシェアリングとして、どのような活動が考えられるか、どのようなサービスがありますか?

司会砂田:ポイントは認定看護師や専門看護師、診療看護師などのスペシャリストが地域連携の中で活躍することが今後、期待されているということです。
2024年4月から医師の働き方改革の新制度が施行されて、看護師へのタスクシフト、シェアの流れがあります。
その中で、やはり専門的な知識やスキルがある看護師の方々はますます活躍の場が広がります。

専門職のシェアリングとして、どのような活動が考えられるか、どのようなサービスがあるか、シェアリングエコノミーはお金を稼ぐだけじゃないですが、ボランティア的な、プロボノ的な活動についてもお伺いできればと思います。

糸原:専門職のシェアリングエコノミーは、スペシャリストが地域連携の中で活躍するというのがキーワードになってくるかと思っております。
知識を持った人は一社だけで働くのではなくて、いろんなところで、いろんなチームと一緒に働く経験ができるというのもシェアリングのいいところです。
その人にとってももちろんですが、それぞれの組織、会社、団体、病院にとっても、違ったスキルの人が来ることで、 チーム力が上がっていくのがシェアリングのポイントではないかと思っております。

個人でのシェアリングだと、大手企業さんに頼む、ものよりも、シェアリングエコノミーで頼んだ方がよりニッチなスキルを持った人が来てくれるっていう良さもあるのです。
例えば家事代行です。
大手に依頼すると、家事が上手な人が来ます。
シェアリングサービスで頼むと、例えば、うちと同じように「チワワ飼っている人」がいいなとか、うちと同じように男の子が2人みたいな家庭のママさんと話しながら一緒に家事やりたいなど、スキル以外の面でその人となりをフックにしてワーカーさんを選んだりすることができます。
このようにスキル以外の面の人となりで繋がることができるのは、また個人対個人のシェアリングエコノミーの良さかなと思います。

では、平田様はどうでしょうか?

司会砂田:ありがとうございます。では、平田様はどうでしょうか?

平田:副業を成功させるためのすごく大事なポイントは自己投資と値付けです。
副業はどうしても限られた時間の中でやるので、いかにその限られた時間の中で しっかりと、報酬を得るか、自分は安売りしないことが大事です。
安売りしてしまうと、いっぱい時間を使わないと得たい報酬にならず、過重労働や睡眠不足など、本業への支障が出てしまいます。
ですから、短い時間でしっかり対価を得るためには専門性があるっていうことが大事です。

看護師さんと一言で言っても、日本中に何十万人もいます。
しかし、例えばその中でも、脳に関して詳しい、もしくは小児医療に詳しい、この地域の医療事業に詳しいなど、いくつかタグを自分につけていくことでその希少性が高まっていきます。
自分はどんな看護師なのかとか、どんなことで相手の役に立てるかなるべく因数分解して、その専門性をしっかり高めていくための自己研鑽が必要です。
私して、そこの整合性をしっかり高めていくための自己研鑽が必要です。
自己研鑽をしていくと、同じ時間でもより単価の高いお仕事ができるようになります。

基本的に副業やフリーランスでやる場合、自分で自分の値付けをしなくてはいけませんが、私たち日本人は大変おくゆかしく、ついついセルフディスカウントしがちです。
単価を安くしてしまうことは業界全体の報酬水準を決めてしまうことにもなるので、自分が自分を安売りにすると、他の同業の人にとってもよくありません。

この前はこの値段でやってもらったのだから、あなたもこの値段でやってと言われるように、みんなで報酬を下げていくような形になってしまいます。
自分自身が身につけている専門性に対しては、誇りを持って自分で自分を値下げしない、適正報酬で値付けして、スキマ時間でもしっかり生産的な副業ができるようにします。

シェアリングはどのような形で推進されることが想定されますか?

砂田:ありがとうございます。シェアリングは看護業界でも今後、徐々に広がってくるかなと予想できますが、 どのような形で推進されることが想定されますか?
他の業界や団体の流れがありましたら教えてください。

糸原:そうですね、より医療業界が発展するためのシェアリングであったりとか規制改革であったりが大事だと思っています。
先ほども、平田さんのお話でもありましたが、 自身のタグをつけるところで、それぞれの専門性がよりその地域やその業界で活かされる形でのシェアリングからスタートしていくのではないかと思います。

砂田:ありがとうございます。平田様お願いいたします。

平田:そうですね、シェアという言葉はすごく多義的です。
スキルシェアっていうのは、 1人の人間が持ってるスキルを、複数の場所や複数の企業、複数のクライアントに対して提供するシェアです。
もう一つ、看護業界に求められているシェアに、ワークシェアがあると思います。

ワークシェアは同じ仕事を複数の人で分担してできるようにしていくシェアです。
今、お医者さんも不足している、もちろん看護師さんも不足していますが、その中での、働き方改革ということで、今まで1人の人間が背負っていたものをなるべくみんなで分担してやっていこうという流れがあると思います。
ワークシェアの利点は1人の人が抱えていた荷重労働をなくすことです。

ワークシェアは短い時間だけなど自分に合ったシフトで働ける人が増え、より多くの人が仕事をすることができるようになっていく側面があると思います。
まずは自分のペースで無理なくできる環境にどんどんなっていくっていうのはすごく大事なことだと思います。

こちらのスライドが、看護師とも相性がいいと思っています。

Screenshot

砂田:ありがとうございます。
私がフリーランス協会さんのイベントに参加した時に、こちらのスライドが、看護師とも相性がいいと思っています。平田様にご説明いただければと思います。

平田:会社員でいれば安定した給料をもらえるのに、わざわざ、独立してやっていくフリーランスの方は、自分の使命、ミッションとして社会的な使命感のようなものを持っている方が結構います。
使命感という点で、看護師さんはメンタリティーが近いかもしれません。
自分たちの専門性やお仕事で、どう世の中に役立てていくのかを重視する我々を考えたときに、その報酬はお金だけじゃないと思います。

もちろん副業するときも報酬は大事ではありますが、報酬だけでなく、経験が増える、副業でやったことが本業の患者さんと向き合うときの何かヒントになるなどの経験価値としての報酬があります。
次に、信頼報酬です。
副業することで普段出会えないような職種、業界の人と出会うことができて、ネットワークが広がったとか、視野が広がったりします。
そして、何より、自分のやったことで誰かに喜んでもらえる、わかりやすく達成感が得られる、といった心理報酬も得られます。


値付けが大事っていう話もありますが、自分はこの仕事を通してどんな報酬をどんなバランスで得るのかっていうのを考えながらやることがすごく大事だと思います。

お金以外の報酬も視野に入れながら、仕事を選んだり、値付けをしたりできるようになってくると、自分がそこから学べること、得られることもすごく増えていくと思います。
これは副業の話だけじゃなくて、本業でもただお金をもらうための手段としてやっていると気づけないことがあります。
お金にプラス、この現場では「こういう経験を積むんだ」「こういう学びを得るんだ」という意思を持っているだけで、得られるものはぐっと増えていきます。

砂田:ありがとうございます。糸原様もこちらのスライドから一言お願いします。

糸原:私はこのシェアリングエコノミー協会での1番の仕事は、いろんな市役所に行って、 副業を全くしたことがない0からの人にパソコン教室の先生のようなことをしています。
私して副業を本当に始めて、最初の1円を稼ぐ瞬間っていうのを、毎年何百人も見てきています。
その1円っていうお金は、皆さんの本業収入からしたら、全然大したことのない金額で、働けばすぐに稼げるお金ですが、金銭だけじゃない収入の大きさを実感しています。

もちろん、シェアリングエコノミーを使うとオンライン上に自分の成果が残っていくので、信頼を集めたり、経験を積んだり、そして誰かの役に立ってありがとうって言ってもらえる経験が安価だけれど、自分の力だけでお金を稼いだっていう経験や活動の動機など感情の変化を感じられることが大きいのではないかなと思います。

砂田:ありがとうございます。
このような話を伺える機会は看護業界でも少ないかなと思います。
とても有意義なシンポジウムとなりました。
フリーランス、副業、シェアリングエコノミー有識者の方にご登壇いただいて、看護業界の話も交えながら お話いただけたことで、今後も深めていけたらなと、ますます思っております。
平田様、糸原様、加藤理事長、貴重なお時間いただき、誠にありがとうございました。

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