【税理士さんが解説】「副業している方のための確定申告セミナー」を開催!
2024年11月26日、副業している方のための確定申告セミナーがZOOMにて開催されました。
確定申告に関する質問をたくさんの方からいただき、盛り上がりをみせていました。
副業をしている看護師にとって確定申告は重要なものですが、苦手意識や不安感を持っている方があつまり、とても関心をもって講義に参加してくださいました。
本記事ではその講義の内容を紹介します。
副業している方のための確定申告セミナー
副業している方のための確定申告セミナー イベント詳細
2024年11月26日、副業している方のための確定申告セミナーがZOOMにて開催されました。
- 主催:会計バンク株式会社
- 共催:一般社団法人フリーランス・副業看護師支援協会
- 集客協力:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
- 対象者:副業をしている、または副業を始めたいと考えている方(現役看護師を含む)
講師情報
西原会計事務所 代表 税理士 西原憲一先生
【経歴】
2000年3月 西原会計事務所を設立
2002年3月 FP総合事務所 ユナイテッド・エフピー・ファームを設立2007年6月 株式会社UFPFに組織変更し、代表取締役に就任
【資格・認定】
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®認定者
認定経営改革等支援機関
副業している方のための確定申告セミナー 公演内容
副業している方のための確定申告セミナーの公演内容は3つ。
- 当協会が看護師のフリーランス・副業について説明
- 税理士さんが確定申告について説明
- 後半はQ&A
当協会が看護師のフリーランス・副業について説明
新型コロナウイルスの流行時、ワクチン接種やコールセンターなどの単発バイトの募集があり、これをきっかけに副業に興味が出た看護師が増えてきました。
しかし看護業界の中では副業への取り組みはそこまで進んでいない現状です。
近年は、看護師単発バイトを紹介する「マッチングプラットフォーム」を提供する企業が増えてきており、看護師も副業をしている人が少しずつ増加しています。
しかし、看護師は確定申告に馴染みがない職種のため、副業に興味はあるものの確定申告への不安から、なかなか踏み出せない看護師がいます。
税理士さんが確定申告について説明
そもそも確定申告が必要な人はどのような人なのか説明してくださいました。
以下の項目に1つでも当てはまる場合は確定申告が必要です。
- 1年の給与の収入金額が2,000万円を超えている
- 給与を1ヶ所からもらっていて、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超えている
- 2カ所以上から給与をもらっていて、主でない方の収入に、給与所得・退職所得以外の所得を加算すれば20万円を超えている
副業でもらっている収入が給料としてもらっていない場合は雑所得に分類されます。
雑所得に分類する金額は「収入=所得」ではなく、「収入-経費=所得」という計算になります。
経費とは上記のスライドに記載されている項目が当てはまります。
給与所得と雑所得の見分け方は上記のスライドを参考にしてください。
- 給与所得の場合→スライド左側の源泉徴収票が発行される
- 雑所得の場合→スライド右側の支払調書が発行される
雑所得に分類される収入で支払調書が発行されない場合は、源泉徴収されない金額です。
支払調書が発行されない収入については、「収入-経費」の計算を自分で行なう必要があります。
雑所得で支払調書が発行されない収入で「収入-経費=所得」を計算する際は、国税庁のHPにある上記の表を使うとわかりやすいです。
雑所得の申告書の計算に反映させやすいので、整理して計算したい人は使用してみることをオススメします。
表を使用して雑所得の金額が20万円以下であれば申告が不要です。
こちらの表は提出するものではないため、絶対に使わないといけないものではありません。
後半はQ&Aをしました
セミナーでは下記の質問が出ました。
- 会社にバレずに副業をするには?
- 年末調整をしていなくても確定申告はできますか?
- 開業届を出していなくても確定申告はできますか?
- 青色申告の時の給与所得、源泉徴収税額の記載方法はどうすればいいですか?
- パートと業務委託の違いは?
- 副業の源泉徴収票は必ず申告しないといけないですか?
- 副業を複数している場合の確定申告のやり方
- 自宅外の業務委託でも家事按分できますか?
- フリーランスの税金対策はなにかありますか?
- 会社にバレずに副業をするには?
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会社にバレるタイミングは住民税を徴収が始まるタイミングです。
前年の所得に対して今年の住民税の金額が変わるため、副業で収入があった場合住民税が増えてしまい、そこで会社にバレてしまいます。
「申告書 第二表」の「自分で納付」に〇を付けると、会社にはバレません。(下記のスライドを参考)
「自分で納付」に〇を付けると、副業をした分の住民税は自分で納付する設定になり、本業と副業の住民税が切り分けられます。しかし、副業の収入が「給与」として収入が入っている場合は切り分けられないので、注意してください。
- 年末調整をしていなくても確定申告はできますか?
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年末調整をしていても、していなくても確定申告はできます。
- 開業届を出していなくても確定申告はできますか?
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開業届を出していなくても確定申告はできます。
- 青色申告の時の給与所得、源泉徴収税額の記載方法はどうすればいいですか?
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青色申告は事業所得に該当するため、申告書の「事業所得」の欄に記入します。
源泉徴収税額については、申告書の「源泉徴収税額」の欄に記入します。
源泉徴収税額が2カ所以上ある場合は、集計しないといけないため、申告書第二表を使用し、合計額を源泉徴収税額に記載する必要があります。アプリを使用すれば簡単に集計され、記載漏れなく申告できるので、わかりにくければアプリを使用するとよいでしょう。
- パートと業務委託の違いは?
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パートは給与所得、業務委託は副業レベルであれば雑所得に分類されます。
源泉徴収票や支払調書で確認できます。 - 副業の源泉徴収票は必ず申告しないといけないですか?
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源泉徴収票が出るということは、給与所得に該当します。
2ヵ所以上から給与所得をもらっている場合は、確定申告しないといけません。 - 副業を複数している場合の確定申告のやり方
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2ヵ所目の雑所得の収入が20万円以下であれば確定申告は必要ありません。
副業がお給料だとしたら、本業の所得と合算して確定申告する必要があります。2ヵ所目以降の源泉徴収票が年末調整されていない場合は、年末調整をしているメインの収入と、年末調整をされていない収入を合算します。
合算した給与収入の欄(下記スライド)を確認し、「給与所得」の計算し、確定申告に反映する必要があります。
- 自宅外の業務委託でも家事按分できますか?
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青色申告の場合であれば家事按分を使用できます。
しかし白色申告や雑所得の場合は、事業用で使用している割合が50%以上にならない場合は、経費になりません。 - フリーランスの税金対策はなにかありますか?
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給料としてもらっている部分は、税金対策は特にありません。
業務委託としてもらっている収入については、経費を用いることができるため、所得が低くなり税金が安くなります。
直接かかった必要な経費を漏らさず記入することが税金対策になります。